若年性認知症カフェ いきいき*カフェ・レポート#007

若年性認知症者の家族のためのカフェ

10月28日(木)いきいきカフェが開催されました。

2019.11.26更新

いきいきカフェは、若年性認知症のご家族が自由にトークできる場。
和やかな空気が流れます。

今回はご主人がご病気のAさん、奥様がご病気のBさんが参加されました。日頃のご様子をいろいろとお聞かせくださいました。

 


 

よく使う多目的トイレの場所はある程度決めています

いきいき:Aさんのご主人はアルツハイマーを患っていらっしゃるということですが、現在日常的に悩んでいらっしゃることはありますか?
Aさん:一番悩ましいことはやはりトイレのことでしょうか。
いきいき:具体的にはどういったことでしょう。
Aさん:タイミングがうまく合わないというか…、私が促すと「いや、まだしたくない。」と言ったりするのですが、しばらくそのままでいると失敗してしまったりします。やはり夫婦といえども恥ずかしいところがあるようで…。トイレで恥ずかしそうにしたりするんですよ。
Bさん:ウチも同じような感じです。本人がナーバスになることが多いですね。でも、それはそうだと思います。自分に置き換えてみれば分かるような気がします。
いきいき:一緒に外出されるときはどうされていますか?
Aさん:外では必ず多目的トイレを利用するようにしています。と言うか、多目的トイレ以外ではちょっと難しいと思います。
Bさん:ウチも二人のときは多目的トイレを使っているのですが、数が少ないですよね。それと、とても混んでいる。利用される方が障害をお持ちの方や赤ちゃん連れの方の場合が多いので、待ち時間が長くなりがちですね。あと、待っていて、どう見ても障害がなさそうなギャルっぽい人が出てきたりすると、正直イラっとします(笑)。
Aさん:わたしはよく使う多目的トイレの場所をある程度決めています。いつそういう状態になるかわからないですからね。
Bさん:わたしも、比較的空いていてキレイな多目的トイレの場所は把握しています。家族会の方から教わった トイレアプリ もスマホにインストールしてあります。条件をインプットしておくと、瞬時に場所が表示されます。とても便利です。
Aさん:一緒に出掛けるときは必ず便座拭き、リハビリパンツ、タオル、パッド、お尻拭き、ビニール袋などを持っていきます。荷物が多くてとても大変なんですよ。

 

高齢者向けの施設には抵抗がありました

いきいき:Bさんの奥様は、現在 いきいき*がくだい の他に高齢者向けのデイサービスにも通っていらっしゃいますね。そちらでのご様子はいかがでしょう。
Bさん:いきいき*がくだいに週2回、高齢者向けのデイサービスが週3回というパターンです。最初のうちはぎくしゃくしていた部分もありましたが、現在はかなり安定してきているように感じています。ただ、こちらの若年性認知症支援コーディネーターの方に高齢者向けのデイサービスへの通所の提案を出していただいたときには、なかなか納得できない部分がありました。
いきいき:どういった点で納得できなかったのでしょうか?
Bさん:以前ケアマネージャーさんの勧めもあって、高齢者向けのデイサービスの一日体験にトライしたのですが、半日もしないうちに不穏になり、帰宅したいと言い出し、収拾がつかなくなって私が迎えに行ったことがありました。そういった経緯もあって、高齢者向けの施設にはかなり抵抗がありました。
いきいき:その後どういった理由で高齢者向けのデイサービスへの通所を決められたのでしょう。
Bさん:こちらの若年性認知症支援コーディネーターの方が「いきいき*がくだいの場合は、ご存じのように若年の方に特化したプログラムを提供しています。アクティブな活動も少なくありません。少し前までは奥様もプログラムに十分対応できていらっしゃったのですが、最近のご状態を見させていただくと、もう少しのんびりとできるような環境に身を置かれたほうが、ご自身も安心できるように思えます。」というアドバイスをくださいました。私もこのところ妻の病気の進行を感じており、フェイズが変わってきているようにも感じておりましたので、今のタイミングであれば、高齢者向けの施設というオプションも有りなんだろうと考えるようになりました。また、ある講演会で「実は高齢者向けの施設と若年性認知症とは意外と親和性が高いのです。」という話を聞きました。とても納得できる部分があり、それも決め手になりました。
いきいき:高齢者向けの施設と若年性認知症の親和性というのはどういうことでしょう。
Bさん:「若年性認知症の方と高齢者向け施設の通所者の年齢差は娘と母のそれと合致するのです。意外と思われるかもしれませんが、コミュニケーションが円滑に進むことが少なくないのです。」といった趣旨の発言でした。妻の場合は社交性が高く基本的に明るい性格ですので、うまくいくかもしれないと考えるようになりました。その後、カンファレンス、見学を経て通所が始まりました。各々の性格、タイミングや相性といったことを配慮する必要があると思いますが、妻の場合は今のところうまくいっているようです。

 

本やネットでは得られない情報という感じがしました

いきいき:Bさんは家族会などには参加されていますか?
Bさん:いろいろな会を見学させていただいたのですが、現在はちいたび会(小さな旅人たちの会) という家族交流会に参加しています。
いきいき:どういった経緯でちいたび会に参加されるようになったのでしょうか?
Bさん:病気や介護については本やネットでいろいろと情報を得ていたのですが、家族会という存在を知り、実際に同じ境遇の方にお話をうかがいたいと思うようになりました。ある会で、たまたまちいたび会の理事長の方と同じ席になり、お話をお聞きするうちに「うちの会に参加してみませんか。」とお誘いをいただき、後日交流会に参加させていただくことになりました。
いきいき:参加されてみてどんな感想を持たれましたか?
Bさん:妻よりも進行している方もいらっしゃったので、将来の現実を目の当たりにするような感じがして、正直なところ私も妻もショックだったことは否めません。その点に関してはもう少し慎重であるべきだったのかなと反省しています。例えば、最初は私ひとりで参加して様子を見るとかでも良かったのかもしれません。ただ、参加していくうちに会の空気にも慣れていき、私たちにとって欠かせない存在となっていきました。
いきいき:具体的なところを少しお聞かせいただけますか?家族交流会はどういった構成・内容になっているのでしょう。
Bさん:会によっていろいろなスタイルがあるかと思うんですが、ちいたびの交流会は、二部構成になっています。前半は本人・家族一緒に様々なイベントに参加。後半は家族組と当事者組が分かれて、家族組は専門職を交えた情報交換・ピアカウンセリングを、当事者組はスタッフとともにレクリエーションなどで楽しむという流れになっているんです。その情報交換・ピアカウンセリングがとても具体的でわかりやすく、かつ共感できます。本やネットでは得られない生の情報だなという感じがしました。何よりも同じ境遇の方たちとお会いできてお話しできることがとても貴重だし、自分達にはとても必要なものだと感じています。
いきいき:他のイベントも開催されるようですが…。
Bさん:若年性認知症カフェ、旅行会、いちご狩りやバーベキューなどいろいろと参加させていただいています。本人も慣れた方と一緒だと安心するようで、とても楽しめているようです。ただ、最近は疲れやすくなってきて、長時間に及ぶと不穏になったり混乱したりすることも多くなってきています。その都度様子を見ながら対応するようにしています。会の皆さんもよく理解してくださっているので、安心して参加できています。

 

●開催予定日
2019年 11月28日(木)、2020年 1月23日(木)、2月27日(木)、3月19日(木)
14:00~15:30
(ご都合の良い時間においでください)
※終了しています
●場所
〒152-0003
目黒区碑文谷5丁目12-20ライオンズマンション学芸大学第3 1F
※いきいき福祉ネットワークセンターの隣のビルの1Fです
●参加費
200円(コーヒーとお菓子)
●お問い合わせ
特定非営利活動法人 いきいき福祉ネットワークセンター 03-3713-8207 担当:川島

 


 

Information #013
認知症動画ライブラリー(認知症スタジアム)

認知症のポータルサイト 認知症スタジアムのオリジナル動画コンテンツ。認知症に関わるさまざまな講義、当事者からの発信、インタビュー、対談などの動画がyouTubeに公開されています。

詳しくは コチラ をご覧ください。

 

Information #014
本人・家族のための 若年性認知症サポートブック
 小長谷陽子編著

若年性認知症の疾患や症状に関する基本的な知識、各種制度、かかわり方や介護のポイントなどをわかりやすく解説しています。本人・家族、支援者の方に向けた実践的な一冊です。
詳しくは コチラ をご覧ください。

 


 

東京都若年性認知症総合支援センター

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