若年性認知症カフェ いきいき*カフェ・レポート #004

若年性認知症者の家族のためのカフェ

 

7月25日(木)いきいきカフェが開催されました。

2019.8.15更新

認知症の家族のカフェというと重い雰囲気を想像されるかもしれませんが、みなさんの表情はとても穏やかです。癒される空間。

和やかな空気が流れます。
いきいきカフェは、若年性認知症のご家族が自由にトークできる場です。

 


 

飽きずに食べられてコーヒーにも合うと好評

当センターの通所施設 いきいき*がくだいでは、就労グループ”チーム・ワンステップ“を結成。認知リハビリテーションの一環として、現在沖縄のお菓子”ちんすこう“のオリジナル製品の製造・販売に向けてプロジェクトが進行中です。

今日は、いきいきカフェのお客様によるプチ試食会。”チーム・ワンステップ“のメンバーの皆さんから商品の説明があり、さっそくちんすこうの試食会が始まりました。

丸くてカワイイちんすこうは、塩味が効いています。小ぶりでほど良い大きさ。飽きずに食べられてコーヒーにも合うと好評です。かりゆしにを身に纏った皆さんも喜色満面で大満足といったご様子でした。

 

その後はいつものようにトークがはじまり、さまざまな介護のお話をお聞きすることができました。

 

どんどん表情が良くなりました

Aさん:このあいだ北海道に行ってきたんですよ。“彩星の会” の代表をされていた干場さんの住まれている空知の近くで開催された、 “北商ロードレース大会” というマラソン大会に参加しました。最初のうちは緊張していたんですが、だんだんと表情も穏やかになって、本当に行って良かったです。
Cさん:干場さんは、現在故郷の空知で “若年認知症家族会「空知ひまわり」” を主宰されて、地域の方とともに街ぐるみで若年性認知症の啓発・サポート活動をされていているんですよね。


Aさん:そうなんです。若年性認知症の家族は私と主人の二人だけだったのですが、干場さんをはじめ認知症サポーターの方も多数参加されていて、皆さん認知症に対する対応もすばらしく、北海道の広々とした自然も相まって、本人もとても楽しそうにしていました。
Cさん:スポーツイベントなどに参加する機会はなかなか持てないですからね。
Bさん:去年、 “run伴” のイベントに参加しましたよ。
Cさん:私も去年参加しました。区役所がゴールでメチャクチャ盛り上がってすごく楽しかったですよ。今年も参加する予定です。

 

出来るあいだは色々とやったほうがいいですよね

Bさん:デイサービスのない日は、主人は午後から1時間くらいは歩いています。
Cさん:一時間というとかなりの距離になりますね。

Bさん:午後2時頃に出で行って5時頃に帰ってきます。ただ歩いているだけじゃなくて、本屋に行ったりいろんなところに寄っているみたいです。
Cさん:お金の支払いとかはお1人でやられるんですね。
Bさん:主人の場合はまだ大丈夫ですね。毎日お小遣いを渡して、ある程度自由にさせています。でも、こっそりいろいろ買ってるみたいなんですけど、買い物をしても何を買ったか黙っていることも多くて(笑)。
Cさん:なんか、子供みたいでカワイイですね(笑)。
Bさん:コソコソなんかするのも、それはそれで楽しいのかもしれません。
Cさん:男ってそういうとこありますからね(笑)。
Aさん:Bさんのご主人の場合はまだまだ出来ることが多いから、出来るあいだは色々とやったほうがいいですよね。ウチはかなりきびしくなってきました。
Cさん:社会と接することが進行を緩やかにすることにもつながりますからね。
Bさん:でも、最近は財布とか鍵とかを忘れてくることも多くなってきました。ひとつのことに集中するとどうしても他のことを忘れてしまうみたいですね。何度か忘れてきてしまったんですけど、見守りホルダーが付いていたので、見つけた方が届けてくださったんです。その後は本人も忘れてしまうことを自覚するようになって、免許やクレジットカードは私に預けてくれるようになりました。

 

GPS端末を鞄に入れていました

Cさん:妻の場合は、鞄を置いてきてしまうことが多かったですね。免許も返納していたし、スマホも解約していたので、アルツハイマーを患っていること、住所、緊急連絡先などを記したIDを作って財布に入れてました。区に申請して、月200円くらいで GPS端末 をレンタルして鞄に入れて、 ヘルプマーク も付けていました。あれはデザインもカワイイので本人も嫌がらなかったですね。こういったものこそデザイン、大事ですね。

Aさん:このあいだちょっと目を離した隙に出て行ってしまって…。Cさん、以前に話されていた徘徊予防用の内鍵のこと、教えてもらえますか?
Cさん:「認知症 徘徊 ドア 鍵」でググるといろんなタイプの内鍵が出てきますよ。ウチの場合はダイアル式のもの(写真)を使っていました。妻の場合は全然大丈夫でしたが、鍵を嫌がる当事者の方もいらっしゃるようで、玄関にセンサーを設置されている方や、靴にGPSを入れている方もおられますね。

 

『よかったね!おめでとう。』って言ってくれたんだよ

Bさん:来年息子の結婚式があるんですけど、1年以上先なので主人が式に出席できるかどうか心配で…それまでに進行して出られなくなるんじゃないかと…父親の場合挨拶とかいろいろとやらなければならないこともありますからね。
Cさん:息子が昨年結婚したのですが、私も妻が式に出席できるかとても心配でした。 家族会(ちいたび会) の方に相談したところ、「当日サポートするから、大丈夫。出席させてあげて。」と言ってくださり、甘えさせてもらいました。たぶん、あのタイミングがぎりぎりでしたね。もう少し後だと無理だったと思います。ご主人のことを分かってらっしゃる方にサポートに付いていただくことを考えられてもいいかもしれませんね。
Aさん:奥様は不安になったりはしなかったですか?
Cさん:不穏ぎみな場面もありましたが、本人のことを良くわかっている家族会のお二人がしっかりサポートしてくださり、無事式を終えることが出来ました。本人がどのくらい状況を把握していたのか分からなかったのですが、後になって息子から「式の後半でお母さんが抱きしめてくれて、『よかったね!おめでとう。』って言ってくれたんだよ。」と聞いた時は、思わず泣いちゃいました。家族会のお二人には本当に感謝しています。

 

…などなど。今日も盛りだくさんの1時間半でした。

 

●開催予定日
2019年 9月26日(木)、10月31日(木)、11月28日(木)
14:00~15:30
(自由な時間においでください)
※終了しています
●場所
〒152-0003 東京都目黒区碑文谷5丁目12-20ライオンズマンション学芸大学第3 1F
※いきいき*がくだいの隣のビルの1Fです
●参加費
200円(コーヒーとお菓子)
●お問い合わせ
特定非営利活動法人 いきいき福祉ネットワークセンター 03-3713-8207 担当:川島

 


Information #007
アルツハイマーと僕 グレン・キャンベル 音楽の奇跡

アメリカの国民的カントリーミュージシャン、グレン・キャンベルは2011年にアルツハイマーを公表します。ギター演奏を断念せざるを得ないと医師から告げられますが、家族とともに「さよならツアー」を敢行。音楽とユーモアでアルツハイマーに立ち向かいます。病と闘いながらステージに立つ姿を追った感動のドキュメンタリー映画です。


Information #008
run伴

本文でも紹介しましたが、認知症の人と接点がなかった地域住民と、認知症の人や家族、医療福祉関係者が一緒にタスキをつなぎ、日本全国を縦断するイベント。認知症の人も地域で伴に暮らす大切な隣人であることを実感できます。東京でも各地で開催。

詳しくはコチラを


 

東京都若年性認知症総合支援センター

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