高次脳機能障害 Q&A

 

高次脳機能障害とはわかりやすくいうとどんな障害ですか?

知覚、記憶、学習、思考や判断などの精神機能を総称して高次脳機能といいます。脳血管障害、脳症、脳炎や事故などにより脳が損傷し高次脳機能に障害が起きた状態が高次脳機能障害です。記憶障害、注意力や集中力の低下、感情・行動の抑制が利かない、道に迷う、失語等の症状が現れ、状況に沿った行動がとれず、生活に支障をきたします。

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高次脳機能障害の原因はなんですか?

高次脳機能障害を起こす原因には下記のようなものがあります。

●脳外傷

最も多い受傷原因は交通事故で、他には転落、転倒など。損傷が広範に及ぶ場合は障害が複数現れる場合もあります。

●脳血管障害

脳梗塞、脳出血、脳卒中、くも膜下出血などが原因。重い意識障害となり、意識が戻った後で様々な障害が現れることがあります。

●低酸素脳症

心筋梗塞、溺水、窒息や一酸化炭素中毒などによって、一時的な脳への酸素や血液が供給されなかったり、供給不足だったことが原因で発症。供給されなかった時間・や部位によって障害や回復の速度に違いが出ます。

●脳腫瘍

腫瘍が発生した部位や大きさ、良性、悪性かにより障害が異なります。外科的治療、放射線療法、ホルモン療法などによって障害を引き起こす場合もあります。

●その他

脳炎、脳膿瘍や細菌・ウイルスの影響などにより高次脳機能障害が発生することがあります。薬物中毒、アルコール依存、ビタミン欠乏症、ホルモン異常などが原因となる場合もあります。

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高次脳機能障害の症状にはどんなものがありますか?

❶記憶障害

・新しいこと覚えられない
・以前のことが思い出せない
・約束を忘れる
・誤って覚える

❷注意障害

・一つの行動を長く続けられない
・注意散漫で、気が散りやすい
・多くの情報から必要な情報のみを選び出すことが出来ない
・二つ以上のことを同時に行うことが出来ない
・一つのことに熱中しすぎて、他の行動に切り替えられない

❸半側空間無視

・空間の半分を認識できない
※左側が認識できない場合が多く、右側ばかりに注意が向く

❹遂行機能障害

・見通しが立てられない
・段取りが組めない、要領が悪くなる
・物事の優先順位がつけられない
・予定通りに行動できない
・予定通りにいかないと混乱する
・必要に応じて臨機応変に行動を修正できない

❺社会的行動障害

・やる気が出ない
・衝動や欲求が抑えられない
・感情がコントロールできない
・こだわりが強く自分の考えを曲げない
・融通が利かない
・相手の気持ちを察したり、場の空気を読むことが出来ない

❻失行

日常生活における動作が困難である
※着替えができない、機械などの操作ができないなど。

❼失認

色、形、物の名称や使い方がわからない
人の顔が識別できないが、声を聞くとわかる

❽失語

・思った言葉が出てこない
・言葉を言い間違える
・相手の話が理解できない
・字が読めない

❾病識の欠如

・自分自身の障害について気づいていない
(発症前の自分と何ら変わりはないと思っている)

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どのような就労支援がありますか?

❶東京都心身障害者福祉センター

高次脳機能障害者を対象とした就労準備支援プログラムの中で、高次脳機能障害評価を含む基礎能力評価、模擬的な職務課題による評価、障害の理解を促すグループワークや講習会、代償手段の獲得支援等を行います。

❷区市町村障害者就労支援センター

障害者の就労支援と生活支援を一体的に行い、地域で働くことを支援します。その区市町村在住者等が対象。

❸障害者就業・生活支援センター

障害者の職業生活における自立を図るために、就業とそれに伴う生活支援を行います。障害者と企業と双方に支援を行います。都内に6か所。

❹東京障害者職業センター

障害者カウンセラーが、就職活動の円滑な実施、適切な職業選択、また職場で安定して働き続けられるように相談や助言を行います。また職業能力等の把握、アセスメントを行い、個人の状況に応じた支援計画を策定します。

❺国立職業リハビリテーションセンター(所沢市)

高次脳機能障害者を対象とした職業訓練。知識・技能の習得に併せて障害特性に応じた個別対応の訓練を行います。在職者を対象とした短期訓練を実施。期間は1年。宿泊施設の利用も可。窓口はハローワーク。

❻ハローワーク

障害者専門の職業相談窓口があり、職業相談、職業紹介、求人開拓、就職後の定着まで、一貫した支援を行っています。

❼就労移行支援・就労継続支援事業所

適性に合った職場への就労が見込まれる方を対象に、知識・能力の向上をはかります。利用期間は2年間。集中力・持続力の習得訓練、基礎体力向上、職場見学、一般企業での実習、就職活動やトライアル雇用を行います。
※当施設では自立訓練(生活訓練)のプログラムを提供しています。詳しくはこちらを⇒
就労継続支援は、一般企業等での就職が困難な方が、生産活動を通じて知識と能力向上のため訓練を行います。事業所と雇用契約を結び、最低賃金を保障する「雇用型(就労継続支援A型)」と、契約を結ばない「非雇用型(就労継続支援B型)」があります。利用期限なし。
※当施設のいきいき*せかんど(高次脳機能障害のための障害福祉サービス)でも就労継続支援B型のプログラムを提供しています。詳しくは こちら をご覧ください。

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高次脳機能障害は回復しますか

すべての方に効果があるとは限りませんが、適切なリハビリテーションを受けることで症状が回復する場合があります。一般的には発症から年数が経った場合は回復に限界があると考えられ、早期のリハビリテーションが望まれます。

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本人と家族がストレスをかかえないようにするために、対応する上で気を付けるポイントを教えてください。

❶記憶障害

・メモを活用する
・良く使う物は目につきやすい決まった場所に置く
・記憶する負担を減らし、確認できるアイテムを活用する

❷注意障害

・同時に違うことをしないようにして一つのことに集中する
・集中できる時間を少しづつ延ばす
・部屋のインテリア、机の位置など環境を変える
・内容が理解できているか、こまめに確認を行う

❸社会的行動障害

・話題を変えたり場面を変える
・物理的にその場から離し、落ち着いたところで行動について一緒に話してみる
・次に同じようなことが起きたときはどうすればよいか、対策を一緒に考える

❹発動性の低下

・スケジュールを決め、ひとつづつこなすようにする
・興味・関心のある簡単なことからチャレンジできるようにする

❺病識の欠如

・無理に障害を認識させようとしない
・できていることに目をむける
・同じ障害のある方たちと交流し、自分自身を認識できるような環境をつくる

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どんな手帳が給付されますか?

障害の状況(受傷の状況)によって、身体障害者手帳、愛の手帳(療育手帳)、精神障害者保健福祉手帳の対象になります。

身体障害者手帳

手足の麻痺や言語、視野の障害があるとき

詳しくは こちら をご覧ください。

愛の手帳(療育手帳)

発達期(18歳未満)に発症・受傷したとき

詳しくは こちら をご覧ください。

精神障害者保健福祉手帳

記憶や注意機能、社会的行動上の障害があるとき

詳しくは こちら をご覧ください。

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高次脳機能障害と認知症の違いを教えてください?

高次脳機能障害という言葉は、認知機能障害全般を示すので、認知症も含まれます。「血管性認知症のため高次脳機能障害の症状がみられます」などと使われます。
行政的な高次脳機能障害の定義では、回復が見込めない進行性の病気は除外されているため、高次脳機能障害に認知症は含まれません。
高次脳機能障害は進行せず、程度によっては回復する場合もありますが、認知症は徐々に進行していきます。

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目黒区高次脳機能障害者支援センター

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